大嫌いなあの人。②‐3
放課後……
僕は日直だったので日誌を書いていた。もう1人の日直はバイトがあるからといって謝りながらもそそくさと行ってしまった。
でも大丈夫、僕はバイトも部活もしていないから時間に余裕はあるのだ。
だけど疑問に思うのは、朝比奈君と桂君が帰り際に気を付けてね。と言い残していった事だった。
(あれは何だったのだろうか?)
外の景色を見ながらゆっくりと日誌を書くことにした。外の風景も秋から冬へと確実に変化していて、僕はその変化を見るのが不思議と楽しくて好きだった。
あと少ししたら冬がやってくる。
変化するの見るのは楽しいのだか、・・・・僕は寒いのは嫌だ…毎年足が霜焼けになるのだ。
そんなことを考えていたら周りは川野君と僕の2人だけになっていた。川野君は無言で外を眺めている。何も言わずに待っててくれる川野君………
(優しいな・・・・・・なんだろ、胸の辺りがホカホカする・・・・・・)
「おい、高月」
「………………あ、何?川野君」
「…………………」
「な、何かな?」
じっと見つめられる行為になれていない僕。顔から火が出てるのではないかと思うくらい熱くなるのを感じた。
真剣な目でみてくる川野君。
僕はマジマジと川野君の顔を見ていて目が離せなかった。目がキリッとしてて鼻がスゥと伸びて整った顔していてキレイな肌している。
唇もすごく……柔らかそうでキスしてみたい…………んっっっ!?僕は何を!?
バシッ!!!!!!
「いって!!!!!!」
気づいたときには僕の右手は川野君の顔を押さえていた。
「あ…………ごめん…つい」
川野君が僕の両手を掴んで顔を近づけてきた。
「高月さ、誰にでもこんななの?少しは警戒心とかもったほうがいいぜ?」
(………は?)
「な、何をいきなり…ちゃんと警戒してるよ!!」
「見つめられてさ、誰にでもそうやって見つめ返すのか?手だって簡単に掴ませるのか?」
「な…ななななんで…(川野君にそんなこと言われなくちゃいけないんだよ……………誰にでもって、するわけないだろぅ!!)」
僕はハッキリとしゃべれないままうつむいた。
泣きそうだった。別に酷いことを言われてる訳でもないのに…久しぶりに川野君からのきつい一言に僕自身の全てがダメージを受けた。
「そうやって…黙ってるだけとか、相手は勘違いするぜ。お前わざとやってんのかよ」
川野君の口調が強くなった。何かに怒っているのだろうか?でもそれも分からない。
違うって言いたいのに川野君の顔が見れない。否定したい。今掴まれてる手だって振りほどきたいけど、川野君相手だとそれは無理みたいだ。
力の差ももちろんあるけど、掴まれた手は全然気持ち悪くない。そればかりか掴まれたそこは熱を帯だして熱い。ドキドキする。
下を向いてるせいか、大粒の涙が目からこぼれ落ちた。絶対に今の顔を見せたくない。
「……う……川野君…僕のことやっぱり嫌いなんでしょ?」
「は?なんでそうなる。」
「……………」
「チッ、黙ってないでちゃんと顔見て話せよ!て、え?なんで泣いてんの!?」
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